たきのうえゼロカーボンニュース VOL8
ペロブスカイト太陽電池とは
再生可能エネルギーの一つである太陽光発電についてはVOL2で少し解説をしましたが、今回はその太陽光発電の新しい技術について解説します。
日本は国土面積が小さく、とくに平地の面積が少ない国です。
こうした特徴のなかで再生可能エネルギーの導入を推進するために、建物の屋根や壁面をできる限り活用していくことが重要とされています。
しかし、建物の屋根や壁面には、その構造上、重たいものを設置できないことがあります。特に積雪の多い北海道では、積雪に加えて太陽光発電設備の荷重がかかることで、屋根に相当な負荷がかかります。このため、建物の屋根に太陽光発電を設置する際には工務店等によく相談しなければならず、設置できないケースもたまに見受けられます。
このような中、新しい太陽光発電の技術として「ペロブスカイト」という言葉を最近耳にするようになりました。
ペロブスカイトとは、これまで一般的に太陽光発電に用いられているシリコン系の太陽電池の課題を解決できる技術として注目されている太陽電池の一種です。
シリコン系の太陽電池は、耐久性と変換効率に優れていますが、重く厚みがあるものとなっています。一方、ペロブスカイト太陽電池は軽量化が可能で、薄くて柔軟という特徴を有しています。これは、ペロブスカイト太陽電池が小さな結晶(ペロブスカイト結晶構造)の集合体であり膜状になっているためです。
図 ペロブスカイト結晶構造(出典:経済産業省HP)
軽量で柔軟な特徴を活かし、これまで設置が難しかったビルの壁面や建物の屋根にも設置が可能となることが見込まれています。
また、主要材料であるヨウ素は日本が大きな世界シェアを有しており、国内産業育成の面からも期待が寄せられています。
既にさまざまな形で社会実装にむけた開発が進められており、千代田区では民間企業とともにビル窓とペロブスカイト太陽電池が一体となった建材「発電する内窓」の実証を始めています。下の写真にある窓の内側の黒い部分がペロブスカイト太陽電池です。
図 ペロブスカイト太陽電池を用いた建材一体型太陽光発電
まだ発電効率の向上や耐久性の改善といった克服しなければならない課題はあるものの、政府の支援も得ながら今後の産業化と普及にむけた取組みが進められていきますので、ぜひ引き続きご注目ください。
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