たきのうえゼロカーボンニュース VOL13
未来の交通を考える
ゼロカーボン社会を実現するためには、私たちの日頃の移動手段を見直すことも必要になります。交通部門のCO₂排出量は全体の約2割を占めています。しかし、道内の暮らしには車が欠かせません。JRの路線や運行本数も減少している中で、どのような方法が考えられるでしょうか。
◆EV(電気自動車)の普及と課題
近年、中国をはじめ世界でEVが急速に普及しました。EVはガソリンを使わず、電気で走るため、走行中にCO₂を排出しません。このEVの充電を再生可能エネルギーで賄えれば、CO2排出量ゼロの移動が可能になります。
図 EV・PHEV月別販売台数・販売シェアの推移(EV-DAYSより)
しかし、EVはエンジンの代わりにバッテリーとモーターを積載しており、このバッテリーの容量によって満充電あたりの走行可能距離が変わってきます。一度の充電で長距離を走行できるようにするためにはバッテリーを多く積載しなければならず、車体もそれだけ重くなります。車体が重くなると電費(ガソリン車でいう燃費と同じ)が悪くなると言われています。
北海道では充電インフラの整備が十分でなく、長距離運転が必要であり、冬季には暖房も多く使用することから、バッテリー容量の大きな車両が必要となります。また、高速充電スポットをより多く整備していく必要があります。
◆水素エネルギーの可能性
EVと並んで注目されているのが、水素を燃料とする「FCV(燃料電池車)」です。FCVは水素と酸素の化学反応によって電気を作り、モーターを動かして走ります。排出されるのは水だけです。
図 FCVの仕組み(所沢市HPより)
北海道は、水素を生産しやすい地域といわれています。例えば、再生可能エネルギーが豊富な道東地域では、余った電力を使って水素を製造し、それを地元で利用するというモデルが検討されています。また、札幌市では、水素を活用した路線バスの試験導入も進められており、今後の広がりが期待されます。
◆公共交通を活用するという選択肢
高齢化も進展する中では、そもそも車の利用を減らすことも重要な視点です。しかし、本町をはじめ地方部では公共交通の利用者数も少なく、路線や本数の維持が課題となっています。
近年はデマンドバス(予約制の乗り合いバス)や乗り合いタクシー、EVやFCVを活用したカーシェアリング等の導入によって、持続可能な交通のあり方を模索する動きも出てきています。
ゼロカーボン社会の実現をひとつの軸として、町民のみなさんの暮らしの利便性確保と、最低限必要な交通機能等についてよく議論しながら、本町にとって最適な移動交通システムを検討していきます。
お問い合わせ
まちづくり推進課
〒099-5692
北海道紋別郡滝上町字滝ノ上市街地4条通2丁目1番地
電話:0158-29-2111
FAX:0158-29-3588