手足口病の流行について(警報) 令和6年9月6日発令
令和6年第35週(令和6年8月26日~9月1日)において、紋別保健所管内の定点医療機関当たりの手足口病患者報告数が16.3人(確定値)となり、警報基準である5人以上となったことから、まん延を防止するために警報が発令されました。
手足口病とは
手足口病は、子どもを中心に、主に夏に流行します。子どもは、手足口病の原因となるウイルスに感染したことがなく、そのウイルスに免疫のない者の割合が高いため、感染した子どもの多くが発病します。
成人を含めた小学生以上の大半は、すでにウイルスの感染(不顕性感染も含む)を受けている場合が多いため、成人での発症はあまり多くありません。
感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背(足の甲)などに2~3mmの水疱を伴う複数の発(ほっ)しんが出ます。発熱は約3分の1にみられますが、38℃以下のことが多く高熱が続くことは通常はありません。ほとんどの発病者は、3~7日のうちに治る病気です。
しかしながら、まれに、髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの重篤な合併症を伴うことがありますので、手足口病にかかった場合には、経過を注意深く観察し、合併症に注意をする必要があります。高熱、頭痛、嘔吐、ぐったりとした状態などの症状がみられたらすぐに受診しましょう。
手足口病の予防
今のところ、手足口病の有効なワクチンはなく、また、手足口病の発病を予防できる薬はありません。感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排せつされたウイルスが口に入って感染すること)が知られています。
主な予防対策としては、こまめな手洗い・咳エチケットが有効とされています。
<手洗い>
手洗いをする際は、流水と石けんで十分に行い、ペーパータオルを使用するなど、手を拭くタオルの共用は避けてください。特におむつ交換をする際には、排せつ物を適切に処理し、しっかりと手洗いをしてください。その他、おもちゃなど口に入る器具や食器にも注意が必要です。
保育施設などの乳幼児の集団生活では、感染を広げないために、職員と子どもたちがしっかりと手洗いをすることが大切です。
★ポイント★
手指などに付いたウイルスを流水、石けんによる手洗いで物理的に取り除くことが有効です。手足口病の原因ウイルスはアルコール消毒剤が効きづらく、おもちゃなどの消毒は、次亜塩酸ナトリウム(0.02%)が有効です。
<咳エチケット>
くしゃみをする時には、口と鼻をティッシュ等でおおうなど、咳エチケットを心がけましょう。
手足口病の警報について
1.最近5週における小児科定点医療機関からの手足口病患者報告数第31週 (7/29~8/4) |
第32週 (8/5~8/11) |
第33週 (8/12~8/18) |
第34週 (8/19~8/25) |
第35週 (8/26~9/1) |
|
紋別保健所管内 | 4.67 | 6.67 | 5.33 | 1.67 | 16.3 |
全 道 | 9.42 | 10.79 | 6.78 | 7.04 | - |
全 国 | 9.57 | 7.97 | 3.87 | 4.24 | - |
第34週までは、北海道感染症情報センター公表のデータによる。
(http://www.iph.pref.hokkaido.jp/kansen/index.html)
2.手足口病警報とは
北海道では、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき、感染症発生動向調査を実施しています。
全道の定点医療機関を受診した手足口病患者数が、国立感染症研究所において設定した警報レベルの基準値に達したときに発令し、大きな流行の発生や継続が疑われることを指します。
<発令基準>
警報開始基準値 | 警報終息基準値 | |
1定点あたり患者数(人) (一週間あたり) |
5.00人以上で発令 | 2.00人未満で 自動的に警報解除 |
全道の発生状況については、北海道立衛生研究所北海道感染症情報センターホームページにて公開しています。(http://www.iph.pref.hokkaido.jp/kansen/index.html)
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