初日の出
元旦には雲一つない稜線から登る初日の出を拝し、希望に満ちた新年になるよう願ったところですが、ここに来て感染力の強いオミクロン株による感染者数が激増しております。ただ、これまでと違うのは、社会機能を止めることなく感染拡大防止と両立させていこうとの考え方にたっていることです。
コロナで日常生活は一変しました。当たり前と思っていた人と身近に会うこと、正月やお盆に会う家族や友人たちとのとりとめない談笑や飲み会などは、「密」の中で深めていけるものであり、生きていくうえで大きな心の支えとなっていることをあらためて感じています。そのためにもこの災厄をなんとしても乗り越え、新しいページを開いていかなければと思うところです。
あいさつ回り
新年の関係機関へのあいさつ回り、昨年は見合わせていましたが、2年ぶりに西紋地区、網走地区、北見を回ってきました。時節柄、長居はしませんが、これまでのお礼と、課題になっていること、要請中の事項の進捗確認など手短に伝えています。中には、旧滝上中学校前の信号機の移設のように数日で返答をいただいたものもあり、通常の要請活動とは別な利点もあります。一方、要請を受けるものもあります。例えば、紙からインターネットへの手続き移行を促進してほしいというもの、税務申告や年金手続きがこれにあたります。いわゆるペーパーレス化により効率を高めコスト削減を進めていくために、紙の書式は一層減少していくものと思います。あいさつ回りは、一見儀礼的なようですが、顔を覚えてもらうことは民間の営業でも当り前のことで、行政の仕事はサービス業であることからもコミュニケーションの一つとして欠かせないものです。
森林レクリエーションと文学
昨年12月9~10日、伊豆市で開催された「森林レクリエーション全国研修会」に参加しました。国有林所在地の市町村や団体が加入している組織で、森林を産業だけではなく、観光、保健、教育など幅広い分野に活用する活動をしている組織です。伊豆市は本町の約半分ほどの面積で8割が山林、気候は温暖で雨が多く、水ワサビ栽培が特産です。少年時代を天城で過ごした井上靖のほか、川端康成など多くの文学者が温泉宿に投宿し、伊豆をモチーフにした文学作品の舞台としても知られています。研修のメインは、石川さゆりの「天城越え」の歌詞に出てくる「浄蓮の滝」の近くにある伊豆市昭和の森会館で、井上靖作「猟銃」の朗読会。語り手の平野啓子さんは朗読のプロ、登場人物の声色を使い分け、感情豊かな表現に70人ほどの参加者は引き込まれてしまいました。本町も小檜山博さんが生まれ故郷を舞台にした多くの作品を生んでおり、生家の近くの森で朗読会をすることも森林と文学を結ぶ企画として面白いと思います。
今年も折々の話題や思いを綴ってまいりますのでご愛読ください。
第34回全国森林レクリエーション協会全国研修
伊豆市 昭和の森会館
平野啓子語りの世界 朗読「猟銃」 井上 靖 作
滝上町長 長屋 栄一