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町長コラムNo.25 「8月9日」

【長崎原爆投下】

 今年、2025年は、太平洋戦争の終結から80年という節目の年です。80年という歳月が経過していく中で、戦争を直接経験した世代の多くの方々が高齢となり、当時の出来事を語れる方が少なくなってきた今、私たちは歴史の記憶をどう受け継ぎ、どう未来に生かしていくのか、改めて考えるべき時に来ています。
 8月6日、広島に原子爆弾が投下され、続く8月9日には長崎に2発目の原爆が落とされました。数十万にのぼる命が一瞬にして奪われ、街は壊滅し、残された人々も放射線による後遺症や深い心の傷と向き合わざるを得ませんでした。あの日の悲劇は、日本だけでなく、全人類が二度と繰り返してはならない出来事として、私たちに強い教訓を与えています。
 そして私自身、8月9日が誕生日です。この日が、自分にとって特別な意味を持つことを知ったのは、物心がついたころでした。誕生日は本来、家族や友人に祝ってもらう日ですが、同時にこの日は長崎で多くの命が失われた日でもあります。小学生くらいのころは、同じ日に自分が生まれたことをどう受け止めてよいか、正直戸惑いもありました。夏休み期間中でもあり、家族以外から祝福されたことも少なかったと思います。
 しかし年を重ねるにつれ、「自分が平和な時代に生まれ、生きていられるのは、あの日を境に歴史が大きく動き、戦争が終わり、復興を成し遂げた先人たちがいたからだ」という思いが強くなりました。戦争の記憶は、体験から聞き語りへ、そして書物や映像へと形を変えながら伝えられてきました。しかし、時が経つにつれて、悲惨さは実感を伴わない「過去の出来事」になりがちです。だからこそ、私たちには記憶を風化させない努力が必要であり「なぜ平和が大切なのか」「平和を守るために私たちは何をすべきか」を考え続けることが大切であると思います。

「ふるさとまつり」

 今年の8月9日と10日、第9回ふるさとまつりが開催されました。笑顔あふれる子どもたち、食欲そそる出店の香り、体験型イベントや音楽が祭り会場に響きました。今やふるさとまつりの代名詞となった丸太早切り選手権、2年ぶりの花火大会、地域の皆さまが出演するステージイベント等、その賑わいは、滝上・地域の活力となるものです。
 開会式の挨拶の中で「私たちが平和の中でおまつりを楽しめるのは、80年前の戦争で尊い命を落とされた多くの方々、そして戦後の復興に尽くされた先人たちのおかげであり、おまつり1日目の8月9日が長崎原爆の日と重なることは、この平和な日常がどれほど大切なことであるか改めて認識する意義の深いことである」とお話しさせていただきました。おまつりは地域の絆を深め、人と人をつなぎ、次の世代に「平和だからこそできること」を感じさせる場でもあります。戦争の記憶が薄れゆく中で、こうした平和の象徴となるおまつりを続けることには、大きな意義があります。地域の活力と平和の願いが込められたこの夏の光景を、これからも地域が一体となり、未来に繋げていきます。


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このコラムについて、町民の皆さまのご意見やご感想などをお待ちしております。それでは、また、来月号でお会いしましょう。

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