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町長室へようこそ No.118

芝ざくら物語 植栽60年

今年もまた北海道の春一番の花観光をリードする芝ざくらが咲きほこり、町民はじめ訪れる観光客を魅了する季節を迎えました。
町史をさかのぼってみますと、芝ざくら滝上公園は大正時代に街の青年団が合流点と市街地を眼下に、はるかには渚滑川とサクルー川に連なる農村を眺望できる地を開墾し、寄贈を受けた1,000本の桜の苗木を植え、町民の憩いの場として造成したものです。昭和25年(1950年)に第1回の桜まつりが開催されると、満山紅一色の桜は全道に知れ渡り臨時列車や貸し切りバスで殺到する賑わいを見せたといいますから、当時から自慢の公園であったのです。しかし、害虫や洞爺丸台風に相次いで襲われ、桜の損傷も甚だしく、町民は意気消沈していました。芝ざくらの画像一時は桜の補植とともに、ツツジ、フジ、ライラックを植え、新たな花観光を目指す試みもありましたが、公園を管理していた片岡兵治氏は、何とかして町民を元気づけたいと、町の中で桜に代わる花を探していたところ、地を這うように力強く根を張り、可憐なピンク色で、悲しみを忘れさせる花の香りのする芝ざくらに出会ったのです。よしこれだと、町民を悲しみから元気づける希望の花と考え、昭和32年(1957年)みかん箱一つの苗を譲り受け公園の片隅に植えたのが芝ざくらの始まりでした。
そして昭和34年(1959年)に町長になった同郷高知の友人、朝倉義衛氏は片岡氏に共鳴し、この素晴らしい芝ざくらを公園いっぱいに増やそうと運動を開始しました。その後の町長にも引き継がれ、日本一を誇る芝ざくらにしたのです。これが「芝ざくら物語」なのです。

芝ざくらの手入れをするボランティアの画像公園の管理は滝上観光公社、グリーンたきのうえへと引き継がれ、町の宝として町民はじめ関係団体のボランティアによる植栽や除草で守り育てられ今日に至っています。
芝ざくらはその後道内では大空町(旧東藻琴村)が、更には関東圏域を中心に全国に広がり、芝ざくらのとりなす縁で平成25年(2013年)には「全国芝ざくらフォーラム」が滝上町で開催されました。これを機に同じく芝ざくらで観光振興を行っている埼玉県秩父市、栃木県市貝町との交流を深めています。
また、広域の観光事業である遠紋地域の花回遊事業はチューリップ、つつじ、ふじ、ラベンダー、コスモスなど季節ごとの花観光に発展し、連携を深める地域づくりを進めています。今年植栽60年を迎え、国内外の多くの人に喜ばれる芝ざくら滝上公園として、また花観光の元祖としてさらに100年を目指し、新たなページのスタートにしたいと思います。

滝上町長 長屋 栄一

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