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町長室へようこそ No.4

小檜山博さんの写真10月15日に、滝上町出身で長年にわたり北海道の自然と風土、そこに生きる人間を描きつづけ日本の現代文学を代表する作家として活躍している小檜山博さんが、芸術文化の振興で「北海道功労賞」を受賞され、札幌全日空ホテルで開催された授賞式に出席しお祝いを申し上げてきました。今年は4人の方々がそれぞれの分野で受賞されました。高橋知事の式辞に続き小檜山さんをはじめ順次賞が手渡され、その後受賞者をたたえる挨拶では、小檜山さんには北海道文化団体連絡協議会会長である川柳の大家、斎藤大雄氏から「小檜山博全集が発刊したが、全集を出版できる作家は40人に1人であるので快挙であること。小檜山さんの本を評している作家の村松友視氏の言葉を引用して、小檜山の作風は、ペンからの叫びではなく、地から這い上がってきた者の叫び、爪で岩肌をかきむしる、はらわたからふりしぼる原風景が常にある」とのあいさつがありました。

謝辞で小檜山さんは生まれ育った境遇が貧乏であったことに触れ、そのことが今日の幸せへの出発点だったと懐古する話に心を打たれました。
ナショナル創始者の松下幸之助氏も自分が成功したのは、体が弱かったおかげ、貧乏だったおかげ、学歴がなかった(小学4年で丁稚奉公にだされた)おかげであると述べています。これらは一見ハンディキャップであり、往々にして人間は自分の置かれている不利な立場をできないことの言い訳にしたがりますが、小檜山さんは生まれてから15歳までの滝上での貧しい暮らしを原体験として、一貫してそこに生きる人間を書きつづけています。
その後の小宴で小檜山さんから「滝上のことを書いて儲けさせてもらっていますが、そこの町長です。」と紹介され、短い挨拶をしました。20年ほど昔「光る女」が映画化されることになり滝上でロケもおこなわれたこと、いよいよ映画もできて町民センターで上映会をすることになり大勢の町民が集まったこと、関心の的は映画の筋書きよりもエキストラで出ていた町民がいつ出てくるのかだったが、映っていたのはほんの一瞬だった(笑)こと、しかしこの映画によって小檜山さんを郷土の作家として町民が強く認識するきっかけになったことなどを話しました。
苫小牧工業高校時代仕送りをしてくれた80歳と85歳になる二人のお兄さんと同席し、滝上での懐かしい話もできました。貧しく厳しい幼少年期を過ごした滝上を、こよなく愛し小檜山さんの郷土に対する思いが伝わってきたひと時でありました。
この功労賞の受賞は滝上町にとりましても大変名誉なことであり、12月に滝上町で記念講演とお祝いする会を催し町民挙げてお祝いしたいと思います。

滝上町長 長屋 栄一

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